事業用資産を売却する時は、買い換え特例を利用すると税金節約に

個人が所有している事業用の資産を売却する場合は、マイホームを売却する時とはまた違う特例が受けられる場合があります。買い換え特例概要や適用となる要件や時期、計算方法などについてお話したいと思います。

事業用資産の買い換えの特例の概要とは?

自分が事業を経営している土地や建物を売却して、一定の期間の間に新たな土地や建物を取得した場合に受けることができます。これを利用することによって、売却によって得た利益に対しての課税を将来に繰り延べできる特例です。

あくまでも「繰り延べ」であって「免除」ではありません。課税される税金の全額が繰り述べされるのではなく、納税額の80%の部分についての特例です。

この特例の中でも、1号はこの買換え特例の中でも主なもののひとつです。ここでは1号買換えについてご説明していきます。

1号買換えの概要について

この特例を受けるには以下のような要件をすべて満たす必要があります。

譲渡資産の条件

  • 既成市街地等(※)の中に存する事務所や事業所等の用に供されている建物またはその敷地であること
  • 譲渡した年の1月1日現在でその所有していた期間が10年以上であること
  • 譲渡が贈与、交換、収用等によらないこと

買換え資産の条件

  • 既成市街地等以外の地区にある土地や建物であること
  • 買換えは譲渡した年の前の年から数えて3年間に行うこと
  • 取得した買換え資産は取得した日から数えて1年間の間に事業用として使用を始めること
  • 土地を買換え資産として取得する場合は、譲渡資産の土地の面積の5倍を超えないこと(超えた部分については特例の対象外)

※既成市街地については、首都圏整備法や近畿圏整備法等によって定められている地域のことを指します。

既成市街地の範囲

首都圏

  • 東京都(23区・武蔵野市の全域、三鷹市の特定区域)
  • 神奈川県(横浜市・川崎市の特定区域)
  • 埼玉県(川口市の特定区域)

近畿圏

  • 大阪府(大阪市の全域、守口市・東大阪市・堺市の特定区域)
  • 京都府(京都市の特定区域)
  • 兵庫県(神戸市・尼崎市・西宮市・芦屋市の特定区域)

中部圏

  • 愛知県(名古屋市の特定区域)

例えば、東京の23区内で長年工場経営をしていた人がその土地および建物を売却、そして東北地方に新たに工場用の土地および建物を購入し工場経営をした場合は、この適用にあてはまることになります。譲渡益の一部は、この適用を受けて繰り上げて節税することが可能です。

譲渡所得の計算方法

譲渡資産の売却金額が買換えで購入した事業用資産の取得金額より少なかった場合

A:収入金額 譲渡資産の売却金額×20%
B:必要経費 (譲渡資産の当初の購入代金+譲渡資産の売却にかかった諸費用) × 20%
C:譲渡所得の金額 A – B

~例~譲渡資産の売却金額が4,500万円、買換え資産の金額が5,500万円、譲渡費用が500万円の場合

A:収入金額 4,500万円 × 20% = 900万円
B:必要経費 (譲渡資産の当初の購入代金225万円 + 譲渡資産の売却にかかった諸費用500万円) × 20% = 145万円
C:譲渡所得の金額 900万円 – 145万円 = 755万円

※購入金額が不明の場合概算取得の計算を用いて4,500万円 × 5% = 225万円

この計算方法でいくと、755万円に課税されることになります。

譲渡資産の売却金額が買換えで購入した事業用資産の取得金額より多かった場合

A:収入金額 (譲渡資産の売却金額-買換え資産の取得金額)+ 買換え資産の取得金額 × 20%
B:必要経費 (譲渡資産の当初の購入代金+譲渡資産の売却にかかった諸費用) × (A) ÷ 売却金額
C:譲渡所得の金額 A – B

特例を受けようと考えたなら、概要や要件等をしっかりと確認した上で、必要書類をそろえて確定申告しなければ特例は受けることができません。


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